黒く塗ったPDFを、そのまま送って大丈夫?

問題:PDFの住所と電話番号を隠して送ります。送信前の対応として安全なのはどれでしょうか。

  1. 黒い図形を重ねただけで、すぐ送信する
  2. 不要な情報を削除または正式な墨消しで処理し、コメントや添付ファイルも確認する
  3. PDFを画像として表示できれば、元の情報は必ず消えていると考える

答えは Bです。PDFには、画面に見えている文字以外に、コメント、添付ファイル、メタデータなどが含まれることがあります。

PDFとは?

PDFは、パソコンやスマホの機種が変わっても、文書の見た目を保ちやすいファイル形式です。申込書、請求書、資料、本人確認に関する書類などで使われます。

PDFは一枚の画像に見えても、文字を検索・コピーできたり、コメントやフォームの入力内容を含んでいたりします。表示されない情報が、ファイルの中に残っている場合もあります。

そのため、送る相手に見せたくない情報は、画面上で隠すだけでなく、送信用のコピーから削除できているか確認します。

送る前に確認する4つの場所

確認する場所

残っていると困る情報の例

本文・画像

氏名、住所、電話番号、口座番号、個人番号、社外秘の内容

コメント・注釈

校正メモ、内部向けの説明、別の人の名前

添付ファイル・フォーム

元データ、入力前の書類、入力した住所や番号

文書情報・メタデータ

作成者名、会社名、作成日時、使用したソフトの情報

メタデータは、文書の内容そのものではなく、作成者や作成日時などを説明する情報です。相手に知らせる必要がなければ、削除を検討します。

安全なPDFを作る手順

  1. 元のPDFを残し、送信用のコピーを作る。
  2. 送る必要のないページ、文字、画像を削除する。
  3. 個人情報を隠す場合は、PDFの「墨消し」など、情報を完全に削除する機能を使う。
  4. コメント、注釈、添付ファイル、フォーム入力、非表示レイヤーを確認する。
  5. 文書情報やメタデータを削除できる機能があれば使う。
  6. 別名で保存し、送信先と添付ファイル名を確認してから送る。

Adobe Acrobat Proでは、墨消しで表示中の機密情報を削除し、別の機能でメタデータや埋め込みコンテンツなどの非表示情報を削除できます。無料のPDF閲覧アプリでは同じ機能が使えないことがあるため、機能名や対応状況を確認します。

「黒い四角形を重ねる」だけでは不十分なことがある

PDFの上に黒い図形やハイライトを置いただけでは、元の文字がファイル内に残る場合があります。あとから図形を動かしたり、文字を選択したりできるなら、情報を削除できていない可能性があります。

送信用のコピーを別のPDFとして保存した後、隠した部分を選択・検索・コピーできないか確認します。ただし、これだけで完全な安全を証明できるわけではありません。機密性が高い文書は、正式な墨消し機能や所属先の手順を使います。

送信方法も確認する

共有リンクの期限や権限は「共有リンクを送った後の確認」、メールの宛先や添付ファイルは「メールを送る前の確認」も参考にしてください。

送った後に間違いへ気づいたら

すぐに送信先へ削除を依頼し、共有リンクならアクセス権を外すかリンクを停止します。個人番号、口座情報、本人確認書類などが含まれていた場合は、所属先や発行元の公式窓口へ相談します。

相手がすでに保存・転送したコピーまで、こちらから完全に消せるとは限りません。送信日時、宛先、ファイル名、含まれていた情報を記録しておくと、相談しやすくなります。

この記事の確認に使った公式情報