なぜ?を試すデジタル実験室
QRコードは一部が隠れても、なぜ読める?
シールやロゴで一部が隠れたQRコードを見たことはありませんか。読めることがある理由を、1つの仕組みと簡単な確認で見ていきます。
まず予想する
問題:QRコードの中央に小さなロゴを重ねても読めることがあります。主な理由はどれでしょう。
- スマートフォンが隠れた部分を写真から自動生成している
- QRコード側に、壊れたデータを復元するための情報が含まれている
- 中央部分には何も情報が入っていない
答えを決めてから、図と解説を見てください。
答え
正解は Bです。
QRコードには誤り訂正機能があり、汚れや破損で一部のデータが読めない場合でも、残った情報から復元できることがあります。
QRコードには誤り訂正機能があり、汚れや破損で一部のデータが読めない場合でも、残った情報から復元できることがあります。
図で見るとこうなる
説明用の簡略図です。実際にはデータ部分にも規則があります。
読めるかどうかは、隠れ方や設定によって変わります。
そもそもQRコードは何をしている?
QRコードは、文字やURLなどのデータを、白と黒の小さな四角形(モジュール)の並びに変換した二次元コードです。横一列だけを使うバーコードと違い、縦と横の両方に情報を配置します。
- URLや文字を、機械が扱えるデータに変換する。
- データを白黒のモジュールとして配置する。
- 三つの角にある大きな目印で、読み取り機が向きと位置を判断する。
- モジュールを読み取り、元の文字やURLに戻す。
角の三つの目印があるため、QRコードは向きが変わっていても読み取りやすくなっています。中央付近の模様だけが情報のすべてではありません。
誤り訂正レベルL・M・Q・Hとは
QRコードには、元データに加えて、読み取れない部分を補うための「誤り訂正用データ」が入っています。読み取り機は、残ったデータとこの補助データを使って、壊れた部分を復元します。
ここでいうコードワードは、QRコードが扱うデータの小さな単位です。L・M・Q・Hは、誤り訂正の強さを表す4つのレベルです。
| レベル | 復元の目安 | 意味 |
|---|---|---|
| L | 約7% | 補助データが少なく、比較的きれいな環境向け |
| M | 約15% | 標準的なバランス |
| Q | 約25% | 汚れや傷が想定される環境向け |
| H | 約30% | より強い復元力が必要な環境向け |
復元しやすさを上げる → 補助データが増える → 同じデータでもコードが大きくなる
この割合は、QRコード全体の面積をそのまま表す数字ではありません。「30%隠せば必ず読める」という意味でもありません。隠れた位置、印刷のゆがみ、明るさ、周囲の余白などでも読み取りやすさは変わります。
自分で試すなら
- 自分のスマートフォンでQRコードを1つ表示する。
- 中央に小さな白い紙を置き、読み取れるか確認する。
- 紙の位置を変え、同じ面積でも結果が変わるか比べる。
- 最後に、周囲の余白をふさいだ場合も確認する。
公開用のQRコードでは、読み取れることを必ず複数の端末で確認してください。説明用の図をそのまま読み取り用に使わないでください。
今日のポイント
- QRコードには、壊れたデータを復元する仕組みがある。
- 誤り訂正の強さには段階がある。
- 一部が隠れても必ず読めるわけではない。